令和8年都道府県地価調査、住宅地は全国1.0%上昇。都道府県別では24道県が下落
2026年9月15日、国土交通省が令和8年の都道府県地価調査の結果を公表しました。全国の地価は、住宅地や商業地などすべての用途をまとめた平均(全用途平均)で、5年連続の上昇と発表されています。土地や戸建ての家を持っている人にとっては、自分の土地も同じように上がっているのかが気になるところです。
この記事では、公表された資料の数字を確かめながら、全国平均と地域ごとの差を順に見ていきます。そのうえで、自分の土地の近くの公的な価格を調べる手順と、いまの売却価格を確かめる方法を整理します。
都道府県地価調査は、7月1日時点の「基準地」の1㎡あたりの価格
都道府県地価調査は、国土利用計画法施行令という法令に基づいて、各都道府県知事が毎年7月1日時点の土地の価格を調べて公表するものです。調べる対象は基準地と呼ばれる地点で、価格は土地1㎡あたりで示されます。基準地は、地域の土地の価格を知るために選ばれた具体的な地点のことです。
令和8年の調査は、全国21,466地点を対象に行われました(このうち10地点は、福島第一原子力発電所の事故の影響で調査を休止)。国土交通省は、都道府県の発表に合わせて全国の状況をとりまとめています。
似た名前の調査に、地価公示があります(令和8年の地価公示は2026年3月18日に公表)。地価公示は国(土地鑑定委員会)が1月1日時点で調べるもので、都道府県地価調査とは調べる時期と地点が違います。国土交通省の資料では、両者は調査時期と調査地点で互いに補い合う関係にあると説明されています。両方を見ると、1月1日と7月1日という半年ずれた時点の価格を確かめられます。
国土交通省は今回の結果について、「全国の地価は、景気が緩やかに回復している中、地域や用途により差があるものの、三大都市圏では上昇幅が拡大し、地方圏でも上昇傾向が継続するなど、全体として上昇基調が続いている。」とまとめています。この記事では、このうち「地域や用途により差がある」という部分を、数字で確かめていきます。
出典: 国土交通省『全国の地価動向は全用途平均で5年連続上昇~令和8年都道府県地価調査~』(報道発表、2026年9月15日)、国土交通省『令和8年都道府県地価調査の概要』(2026年9月。1頁)、国土交通省『令和8年地価公示を公表しました』(2026年3月18日)。確認日: 2026年10月12日
全国平均では、住宅地が1.0%、商業地が2.9%の上昇
地価調査の結果は、主に変動率で示されます。変動率は、前の年から続けて調べている基準地について、1年間で価格が何%変わったかを平均したものです。プラスなら上昇、マイナスなら下落を表します。
令和8年の全国平均は、全用途平均が1.5%、住宅地が1.0%、商業地が2.9%の上昇でした。いずれも5年連続の上昇です。商業地は前年の2.8%から上昇幅が広がり、全用途平均と住宅地は前年と同じ上昇幅でした。
住宅地の全国平均を令和3年から並べると、▲0.5%(マイナス0.5%)、0.1%、0.7%、0.9%、1.0%、1.0%と動いています。令和3年は下落でしたが、その後は上昇が続き、ここ2年は1.0%で並んでいます。
ただし、全国平均は全国の基準地をまとめた数字です。次に見るように、地域によって数字は大きく違います。
出典: 国土交通省『令和8年都道府県地価調査の概要』(2026年9月。1頁)、国土交通省『第2表 圏域別・用途別対前年平均変動率』(令和8年都道府県地価調査)。確認日: 2026年10月12日
住宅地は、東京圏が4.0%の上昇、地方圏のその他の地域は横ばい
国土交通省は、全国を三大都市圏(東京圏・大阪圏・名古屋圏)と地方圏に分けて集計しています。地方圏はさらに、札幌市・仙台市・広島市・福岡市の地方四市と、それ以外のその他に分かれます。各圏域に入る市区町村は法律に基づいて決められていて、たとえば東京圏は、首都圏整備法で定められた区域を含む市区町村の範囲です(詳しい定義は国土交通省『第2表』の注記にあります)。
令和8年の住宅地の変動率は、東京圏が4.0%(前年3.9%)、大阪圏が2.3%(前年2.2%)、名古屋圏が1.5%(前年1.7%)でした。地方圏では、地方四市が2.9%(前年4.1%)、その他の地域は前年に続いて横ばい(平均で見ると、上がりも下がりもしていない)でした。
東京圏と大阪圏は上昇幅がわずかに(0.1ポイント)広がり、名古屋圏と地方四市は上昇が続いているものの上昇幅は小さくなりました。地方圏のその他の地域は、2年続けて横ばいです。全国平均では同じ上昇でも、その中には上昇幅が広がった地域、縮んだ地域、横ばいの地域が混ざっています。
出典: 国土交通省『第2表 圏域別・用途別対前年平均変動率』(令和8年都道府県地価調査。表の注記による圏域の定義を含む)、国土交通省 報道発表(2026年9月15日)。確認日: 2026年10月12日
都道府県別の住宅地は、上昇20、横ばい3、下落24
都道府県ごとの住宅地の平均変動率を見ると、差はさらにはっきりします。令和8年は、47都道府県のうち上昇が20、横ばいが3(宮城県・栃木県・山口県)、下落が24でした。全国平均は上昇でも、半分を超える道県では住宅地の平均が下がっています。
- 上昇率が高い東京都5.8%、沖縄県5.3%、千葉県3.4%、神奈川県3.1%、大阪府3.0%
- 下落率が大きい徳島県▲1.2%、島根県・愛媛県・鹿児島県▲1.0%、新潟県▲0.8%、奈良県▲0.8%
- 前年から傾向が変わった長崎県は横ばいから上昇へ。栃木県・山口県は下落から横ばいへ。宮城県は上昇から横ばいへ
下落した24道県を前年と比べると、下落の幅が縮んだところが8、前年と同じところが8、広がったところが8でした。たとえば新潟県は前年の▲1.0%から▲0.8%へ幅が縮み、岩手県は▲0.2%から▲0.7%へ幅が広がっています。数字を見るときは、プラスかマイナスかだけでなく、前年と比べて幅が広がったのか縮んだのかもあわせて見ると、地域の動きをつかみやすくなります。
出典: 国土交通省『第4表 都道府県別・用途別対前年平均変動率』(令和8年都道府県地価調査。上昇・横ばい・下落の数と、下落幅の広がり・縮みの数は、表の住宅地の令和7年・令和8年の変動率から Real Estate 7 Grid が数えたもの)、国土交通省『令和8年都道府県地価調査の概要』(2026年9月。3頁の変動率の傾向が変更となった都道府県)。確認日: 2026年10月12日
県の平均が横ばいでも、県庁所在地は上がっていることがある
都道府県の平均も、県内のさまざまな基準地をまとめた数字です。国土交通省の資料には、都道府県庁所在地ごとの住宅地の変動率も載っています。
たとえば宮城県の住宅地は横ばいでしたが、仙台市は2.5%の上昇でした(前年は5.1%)。北海道は▲0.3%でしたが、札幌市は0.7%の上昇でした(前年は1.4%)。県や道の平均が横ばいや下落でも、中心の都市では上がっているという組み合わせがあるわけです。反対に、県の平均が上がっていても、県内のすべての地点が上がっているとは限りません。
自分の土地の動きを考えるときに参考にしやすいのは、全国や県の平均よりも、近くにある基準地の価格の変化です。次の章で、近くの基準地を調べる方法を見ていきます。
出典: 国土交通省『令和8年都道府県地価調査の概要』(2026年9月。5頁の地価変動率の経年推移〔住宅地〕、都道府県別と都道府県庁所在地別の表)。確認日: 2026年10月12日
地価は土地の価格。家の売却価格とは別の数字
もう一つ押さえておきたいのは、地価調査が示すのは土地だけの、1㎡あたりの価格だという点です。戸建ての家を売るときの価格には、建物の状態や築年数、間取り、日当たり、道路との接し方、土地の形や広さなど、基準地の価格には入っていない条件が加わります。マンションの場合は、建物が建つ土地を所有者全員で分け合って持つ形(持ち分)になるため、地価の動きがそのまま住戸の価格に表れるわけではありません。
また、公的な土地の価格には、地価調査のほかに地価公示(1月1日時点)、相続税や贈与税の計算に使う路線価、固定資産税の評価額などがあります。どれも目的と時点が違う数字で、実際に売れる価格や不動産会社の査定額とは別のものです。それぞれの違いは、地価公示・路線価・査定価格の違いを整理した記事で扱っています。
つまり、地価調査で分かるのは、自分の土地の周りで土地の価格がどちらの方向に動いているか、までです。自分の土地と家がいくらで売れそうかは、別の方法で確かめる必要があります。
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地価の次に見るもの
地域の平均ではなく、自分の土地と家の価格帯を確かめる
地価調査で分かるのは地域の平均的な動きです。自分の土地や家を不動産会社がいまいくらと見込むかは、売却査定で確かめられます。複数の会社の査定額を並べると、会社ごとの価格の幅も分かります。ボタンからはリビンマッチ(リビン・テクノロジーズ株式会社)の外部サイトへ移動します。
リビンマッチの売却査定フォームへ進む自分の土地の近くの基準地を調べる手順
近くの基準地の価格は、国土交通省が運営する不動産情報ライブラリで調べられます。令和8年の地価調査の個別地点の価格は、2026年9月16日から掲載されています。地図の上で地点ごとの価格を見られるほか、不動産の取引価格や地価公示などの他の価格情報、都市計画、防災情報と重ねて見ることもできます。
- 1. 地図で探す不動産情報ライブラリで自宅の住所の周りを表示し、地価調査の基準地と地価公示の地点を探す。
- 2. 似た地点を選ぶ用途(住宅地か商業地か)が自宅と同じで、駅からの距離や道路の様子が近い地点を1〜3か所選ぶ。
- 3. 価格と変化を書き写す1㎡あたりの価格と、前年からの変動率をメモする。地価公示の地点があれば、1月1日時点の価格も並べる。
- 4. 自宅との違いを書く土地の広さ、形、前の道路の幅など基準地と違う点と、建物の築年数や状態など基準地の価格には入らない点を書き出す。
- 5. 全体の動きも確認する国土交通省の都道府県地価調査のページで、自分の都道府県の住宅地の変動率を確かめる。
基準地の1㎡あたりの価格に自分の土地の面積を掛けても、売却価格にはなりません。土地の形や道路の条件、建物の有無で、実際の価格は上にも下にも動きます。このメモは、価格を計算するためではなく、査定額の説明を聞くときに比べる材料として使います。
出典: 国土交通省『令和8年都道府県地価調査データ更新!~「不動産情報ライブラリ」、「国土数値情報ダウンロードサイト」にてデータを公開しました~』(報道発表、2026年9月16日)、国土交通省『不動産情報ライブラリ』、国土交通省『都道府県地価調査』。確認日: 2026年10月12日
査定を頼む前の、地価調査メモ
査定を頼むときは、次のことを手元にまとめておくと、不動産会社の説明を自分の数字と比べながら聞けます。
- 近くの基準地地点の番号、1㎡あたりの価格、令和8年の変動率
- 近くの地価公示の地点1月1日時点の価格と変動率(あれば)
- 都道府県の住宅地令和8年の平均変動率と、前年と比べて上がり幅・下がり幅が広がったか縮んだか
- 自宅の条件土地の面積と形、前の道路の幅、建物の築年数と状態、住んでいるか空いているか
- 聞きたいこと査定額の根拠にした取引事例はどれか。近くの基準地の価格と比べて、高い・低いと見た理由は何か
査定額は会社によって違うことがあります。各社の査定額と説明を地価調査のメモと照らし合わせると、それぞれの会社がどの条件を重く見ているのかを確かめやすくなります。売るかどうかをまだ決めていなくても、いまの価格を知っておくと、住み替えや相続について家族で話すときの材料になります。
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メモがそろったら
基準地のメモと査定額を並べて、いまの価格を知っておく
近くの基準地の価格と変化、自宅の条件のメモがそろったら、査定額と並べてみると、公的な土地の価格と、不動産会社が見込む売却価格との違いが分かりやすくなります。ボタンからはリビンマッチ(リビン・テクノロジーズ株式会社)の外部サイトへ移動します。
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